家政科では平成8年度(1997年2月3日)から陳建一先生を講師にお迎えし、高校3年生対象の中国料理講習会を行っています。

陳先生は1993年から1999年まで放送された『料理の鉄人』へのご出演以来、今も「中華の鉄人」として尊敬を集めていらっしゃいます。

映画バックドラフトのテーマ･「甦るがいい、アイアンシェフ!」の声とともに、黄色の調理着で中華包丁を片手に颯爽と登場する姿が印象的です。

現在は四川飯店グループのオーナーシェフとして、(公財)日本中国料理協会会長として、各方面でご活躍なさり中国料理の普及に努めておられます。

先生はご多忙にもかかわらず、毎年本校で講習会を行って下さいます。(今までで1回のみ緊急のご都合で四川飯店総料理長の鈴木弘明先生が代講)

中国料理講習会の一番の思い出は、東京に記録破りの豪雪が降り交通機関が大混乱した10年ほど前の日の事です。

前日に成田でゴルフをなさっていた先生は、降り始めた雪がひどくなったのでプレーを止めて帰宅の途に就かれました。

その途中、余りの雪の激しさに「これじゃ明日愛国に行けなくなっちゃうよ(ご本人の言葉通り)」と思われたそうです。

そこで都心のご自宅に帰らず、マネージャーさんが学校近辺で宿泊できるところを探してチェックインなさいました。

学校まで徒歩5分のビジネスホテル、レストランは中華料理、先生が夕食にいらっしゃるとシェフは大慌てで大喜び！

中国系のシェフは大雪の中でお友だちも呼んで大サービスして下さり、とても楽しいディナーになったそうです。

「これがなかなか美味かったよ!」と嬉しそうにおっしゃった天下の四川飯店のオーナーシェフ、また感動です。

そして、翌朝は天気は回復したものの見たこともない一面の雪景色、教職員一同は早朝から雪かきでした。

そんな中「寒いね～。雪すごいね～。」と陳先生が徒歩でおいで下さり、予定通り講習会が始まりました。

当時の家政科3年生も長時間歩いたり保護者が送って下さったりして全員出席、遅刻者もなし!

開講を信じて登校し、みんな揃って元気にあいさつする生徒を陳先生も褒めて下さいました。

そして、テレビ以上と思われるようなパワー、例年通りの全力投球で行って下さった講習会。

生徒用の麻婆豆腐は辛さ控えめのピリ辛、楽しく美味しく忘れられない時間となりました。

この日の事は先生もはっきり覚えていて下さり、今でもお目にかかると必ず話題になります。

昨年1月27日の中国料理講習会の【なでしこだより】で、こんな予告をしていました。

　”近いうちに「陳先生のとっても素敵なお話・大雪の日に…」をブログに掲載します。”

大変遅くなりましたが、今年度の講習会(中止)に際し、陳先生のお話を書きました。

…②の「今年の講習会」につづく…