2020.07.08
現代文の授業にゲストを迎えました。
無監督試験も無事終了し、学期末に向けての授業が始まっています。
バルコニーが雨除けになるので常時換気し、クーラーで温度・湿度の調整をしています。
マスク越しでも作品の雰囲気が伝わるようにと、現代文Bではゲストをお迎えしました。
教材が何かはお解りかと思いますが、そう人喰い虎に変身してしまった「あのお方」です。
パペットなのでどうしても可愛くなってしまいますが、結構リアルな顔つきをしています。
虎やトラ猫にあるという耳の後ろの〇の模様もちゃんと再現された、見事な毛並みです。
黒板周りを力強く飛び跳ね、変わり果てた自分の姿を確認して落ち込んだりもします。
そして、絶望して早まったことを考えた彼の前に一匹のうさぎが…。
うさちゃんは耳をぴくぴくさせ、鼻をもぞもぞ動かし、ぴょんぴょん跳ねます。
これを契機に本能が目覚めた彼の中の人間の心は、獣としての習慣の中に埋没していくのです。
もちろん生徒さんはけじめをつけ、彼の心情を理解しようと真剣に作品に向き合っています。
「あなたの中に住んでいる『猛獣』は何ですか?」
「猛獣使いであるあなたは、それをどうやって制御していますか?」
作品を終える時、皆さんに考えてもらう設問です。
『山月記』は国語の授業の中で印象的な作品として記憶に残る名作の一つです。
心の中の猛獣はパペットのようにはいかないけれど頑張らなきゃね、と思います。