2023.07.01
⛩6月晦日・夏越の祓(はらえ)⛩
早いもので壁のカレンダーも6月から7月へ、今年もあと半年となりました。
昨日は6月30日、各地の神社で「夏越の祓(なごしのはらえ)」が行われました。
別名「水無月祓・六月祓(みなづきばらえ)」、古くは「大祓(おおはらえ)」と言われていました。
由緒ある行事で大宝元年(701年)の『大宝律令』によって正式な宮中祭祀となり、その後民間に広がりました。
夏越の祓では、ます新年から半年が過ぎた6月末を迎え今日まで無事に過ごせたことに感謝します。
そして季節が移る夏の終わりに厄払いをし、残りの半年も無病息災で幸せに過ごせるよう祈る行事です。
夏はこれからが本番でしょ!と思われるかもしれませんが、旧暦では正月が新春で2・3月と春、夏は4・5・6月。
今年の新暦に合わせると夏が終わる旧暦6月30日は8月15日頃、「暦の上では秋ですが…」の立秋は8月7日頃です。
風そよぐ なら(楢)の小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
私は6月30日になると、必ず「かぜそよぐぅ~」と口ずさんでしまいます。
百人一首の98番でおなじみの、従二位(じゅにい)・藤原家隆が詠んだ涼しげな和歌。
寛喜元年(1229年)、帝の中宮となる方に贈られた年中行事の屏風絵の「6月」に添えられています。
夏の大祓に川で水浴びをして心身を清め厄を払うという、夏の終わりの風物詩・禊(みそぎ)の風景です。
秋を感じる風の中、京都の上賀茂神社を流れる御手洗川(みたらしがわ)の禊を見て今日はまだ夏だと気づく…。
温暖化で残暑厳しい現代とは異なり、鎌倉初期の6月末(8月中旬)は夏が終わると実感する時季だったのでしょう。
清き瀬に 夏越の祓へ しつるより 八百万代(やおよろず よ)は 神のまにまに
と、かの平安時代を代表する女流歌人・和泉式部も詠んでいます。
また、6月末日には「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」をして身も心も清め幸運を祈る習慣もありました。
6月下旬、多くの神社の境内には注連縄(しめなわ)で守られた)、茅(かや)で作った大きな輪が設けられます。
氏子でなくても神道でなくても、神聖な雰囲気の参拝マナーを守れば誰でも自由に茅の輪くぐりができます。
この日は千代田区・市ヶ谷で午前中から夕刻まで、全国私立看護高等学校協会の理事会・総会が行われました。
会場に行く際に前を通る「鳥越神社」で朝、帰宅時に立ち寄った「神田明神」で夜、茅の輪くぐりをしてきました。
朝も夜も雨は止んでいましたが、濡れた茅の香りが新しい畳を思わせる中、穏やかで清浄な気持ちになりました。
往路は閑かだった鳥越神社も、帰る時に前を通ると夜8時から行われる神事を待つ列が鳥居の外まで続いていました。
今年の上半期もおかげさまで無事に終えることができました。
今日から始まる下半期、リフレッシュして元気で頑張っていきましょう!