2025.02.17
学友会「親切基金」よりLA火災のお見舞い
1月7日にロサンゼルス近郊の複数の町で発生した大規模火災で被災なさった方へお見舞い申し上げます。
本校では昭和54年(1979年)からロサンゼルス郡・オレンジ郡やサンディエゴ地区で海外研修を実施しています。
昨年の夏で【延べ7443名の生徒・教職員が参加】し、アメリカの家庭で2~3週間のホームステイを行っています。
この火災では、46年間に生徒を受け入れて下さった懐かしい地区が何か所も被害に遭ったと報道されました。
今年度のホームステイはLAの南だったので家族は無事でしたが、生徒たちは心配して連絡を取っていました。
また、研修中に消防署見学やサマースクールでの救急救命法指導などでお世話になる消防士さんも命懸けでした。
学友会役員の申し出で親切基金から【火災のお見舞いとして2000ドル(313.680円)】をお送りすることにしました。
今回は大使館ではなく10年来の海外研修のコーディネーターに依頼し、有効に使っていただこうと考えました。
1月中旬から送金手続きを取り、実際にお見舞いが振り込まれたのはまだ完全に鎮火していない1月28日でした。
本日、送金を依頼した海外研修運営会社経由で現地の慈善団体から御礼状が届きましたので校内に掲出しました。
時を経ても遠く離れていても、海外研修を通じて培った友情や受けたご恩は忘れてはいけないと思っています。
1994年1月にロサンゼルス北東部を震源とするNorthridge地震の際にも親切基金からお見舞いをさしあげました。
震源地に近いSimiValleyは長年ホームステイをしている地域で、多くのホストファミリーが暮らしていました。
親切基金を託したコーディネーターの配慮でその夏に滞在した生徒が地震で壊れた学校の壁の修復に立ち会い、
塗りたてのコンクリートに「友情の証」として全員の手形を遺し、次の年に訪れたグループにも紹介下さいました。
1995年1月の阪神淡路大震災ではLongBeach地区の皆様が迅速に寄付を集めて約12万円の小切手にし、
「Pray For KOBE (神戸のために祈っています)」のお手紙を添えて、旧知の織田に託して下さいました。
このご厚意は多くの方にお知らせしなければと思い新聞社を通じて寄付をし、記事にしていただきました。
愛国中学校・愛国高等学校では、当時の生徒の発案により昭和34年(1959年)から【親切基金】を運用しています。
当初は全校生徒から寄付を募って基金とし、その利息で困った方のために役立つ「親切」をするという計画でした。
現在は新入生の皆さんに先輩から受け継いだ親切基金の主旨を説明し、一人200円ずつご協力いただいています。
また、通常の創立記念祭(体育祭)では昼休みに中学生が「親切箱」を持ってお客様に募金をお願いしていました。
ここ数年は感染症などに配慮して、創立記念祭での中学生の募金活動はお昼休みに職員室のみで行っています。
65年を超える活動の中で親切基金からのお見舞いをさしあげた国や地域は、国内国外の70件にも上ります。
原則として、お見舞いの対象は人間の叡智が及ばない・科学でも道徳心でも抗えない【自然災害】としています。
当然の事ながら、協力下さった卒業生・在校生や私どもは親切基金を使う機会がないことを願っています。
しかし不幸にしてどこかで災害が起こった際の備えとして、これからも善意の積み立てを続けて参ります。
不測の事態が起こった時、基金があれば募金活動をしてお見舞いをさしあげるよりも迅速に対応ができます。
さらに親切基金という制度があることで人の苦しみ悲しみを我が事と思える繊細な心を育めるとも思っています。
2月になってようやく火災は収まりましたが、街が元の美しい姿を取り戻すのは長い道のりです。
今年の夏も生徒がロサンゼルスの南・オレンジカウンティを訪れ、ホームステイをします。
被災された地域の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
愛国中学・高等学校長
織田 奈美