今年も梅雨明けと共に猛暑の日々となり、車内で熱中症により亡くなる子どもの悲しいニュースもありました。子どもは私たち大人と比べると体重あたりの水分量が多く、喉の渇きや体調の変化を言葉にして訴えるのが苦手な事もあり、気付かない間に脱水症が進んでしまう事があります。
また、大人より代謝が盛んで知らないうちに水分が失われていることがあります。発汗量や活動量にもよりますが、子どもの変化を見逃さない事が一番大切なポイントとなります。
気温や睡眠、体力や年齢(月齢)によって必要とされる水分量には違いがありますが、目安として体重1㎏あたり、乳児では100~120ml、幼児でも80~100mlの水分が1日に必要です。
更に体温調節機能が十分に発達していない事、発汗調整機能や腎機能が未熟なことも脱水になりやすい理由です。
夏は大人も体温が上がり易いのですが、体温が上がると汗として水分が失われるばかりではなく、末梢の血管が拡張し、血流も悪くなります。外気温が高いと体表面の温度を知覚しにくくなりますのでこの点も注意が必要です。
受診が必要と考えられる症状としては
・発熱(38℃以上)
・下痢が続く
・機嫌が悪い
・活気がない、ぼんやりしている、すぐ眠ってしまう
・嘔吐がある
・顔色が良くない(口唇の色にも注意しましょう)
・尿の量・回数が減る、尿の色が濃くなる
・皮膚、口、舌の乾燥
・泣いているのに涙が出ない
・呼吸の数が増える、肩や腹壁を動かして呼吸している
などが挙げられます。
子どもは遊びに夢中になっている時、水を飲むように声を掛けてもその気になれない事もあるかもしれません。遊ぶ前や一口ずつでもこまめに吸水を促して脱水を防ぎましょう。そして脱水と合わせて熱中症の予防にもつなげていきたいです。(看護師 水吉)