折り紙と言えば、皆さんもご存じの通り、大人も子どもも知っている日本の伝統文化の一つです。また、昔から子どもたちに親しまれている伝承遊びでもあります。折り紙は紙一枚で折り方によってさまざまな物が作れるため、とても人気のある遊びの一つです。
保育園で折り紙遊びを取り入れるねらいは、楽しみながら図形への理解を深め、形の変化に興味を持つこと。また、指先の細かい動きを促したり、完成した時の喜びや達成感を味わったりすることなどです。
折り紙遊びは楽しめるだけではなく、沢山のメリットがあります。
①空間認知能力を伸ばすことができる。
(空間認知能力とは、物体の位置、方向、姿勢、大きさ、間隔など物体が三次元空間に占めている状態や関係を素早く正確に把握、認識する能力の事です。この空間認知能力を高めることでお子様の様々な将来への可能性が高まってくるとされています。)
②コミュニケーション能力を高める。
③忍耐力、集中力を高めることができる。
④想像力、思考力を伸ばすことができる。
⑤創造力を伸ばすことができる。
⑥手先のトレーニングに繋がる。
⑦ワーキングメモリを鍛えることができる。
(ワーキングメモリとは必要な情報を一時的に保存し、処理する能力の事です。このワーキングメモリを増やすことで計算力や文章読解力が上がるとされています。)
⑧達成感を得られて自己肯定に繋がる。
(自己肯定とはありのままの自分を肯定する、好意的に受け止めることができる事です。自己肯定感が高いと自分への信頼感があり、自分のやりたいことであれば失敗やリスクを恐れずに果敢にチャレンジすることができるとされています。)
また、折り紙遊びは持ち運びしやすく、どこでも遊べるのが魅力的です。さらに値段もリーズナブルで、片づける場所も取らないので手軽に楽しく遊べる玩具としてはとても素晴らしいと思います。
折り紙の遊び方は無限大です。折るだけではなく、丸めたりちぎったりしても遊ぶことができます。そして、年齢に関係なく楽しむことができます。
では、園で実際にどのようにして遊んでいるのかをご紹介いたします。
1歳児は、見て触って楽しむことができます。くしゃくしゃと丸めたりビリビリとちぎったりすることで音や感覚を楽しむことができます。
2歳児では、1回折りやのりで貼る事を楽しむことができます。1回折るだけでも色々な形に変化させることができます。きれいに折る必要はありません。
3歳児になると、さらに指先が器用になってきます。折るだけでなく、のりやはさみを使って表現することができます。そして4,5歳児では、三角や四角と言った基本的な折り方から様々な折り方が出来るようになり、作れる種類も増えてきます。遊び方も折った食べ物を使ってままごとのような遊びができたり、折った動物などにストローを付けてペープサートのような人形遊びをしたり、折った指輪やブレスレットなどを身に付けてファッションショーのような遊びもできます。
また、遊ぶだけではなく折り紙で作ったものを作品として飾って楽しむこともできます。お子様は自分の作ったものを飾る事で作り上げた達成感を感じることができると思います。
4,5歳児では、「手裏剣」や「紙飛行機」、「リボン」、「パクパク」などが人気です。親子で一緒に作る事でコミュニケーションが取れることはもちろん、楽しさを共有することができます。折る事が難しい時は手伝ってあげたり、そばについて見本を見せて折ったりする事で一緒に作り上げた達成感に繋がってきます。
折り紙の折り方は本だけでなく、YouTubeなどの動画でも見ることができます。
日本ならではの文化を一緒に体験できる折り紙遊び、ぜひ休日や雨でお出かけができない時などお子様と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
(保育士・保育園発達支援コーディネーター 中山)