今年3月頃から、新型コロナウイルスが猛威を振るい、あらゆる生活、活動、行動が制限され、これがいつまで続くのかと不安な日々を過ごされている方が多いと思います。
なでしこ保育園でも、昨年度の卒園式は感染対策をしっかり行い挙行する事ができましたが、4月からは緊急事態宣言と共に保護者の方に出来る限りの家庭保育をお願いし、行事は全て延期・または中止となり、本来ならば4月は新入園児の元気な泣き声や進級して張り切っている在園児のみなさんの笑い声など賑やかになるところが、とても寂しい保育園となっていました。今までにない事態に、保育園職員も奮闘し感染を広げない対策をプライベートも含めて今現在も頑張っているところです。
しかし、やはり不安が続くと「辛い」「怖い」「疲れた」など負の感情が湧くと思います。
「疲れたときは休めばいい」のですが、仕事は制限できたり家事は多少手を抜くことはできたりしますが、「子育て」「育児」はなかなか手を抜くことはできません。手を抜くことができない理由のひとつに、それはやはり「人を育てること」でありそこには「責任」もあるからだと思います。
私達保育園で働く保育士・調理師・栄養士・看護師は、0~6歳の卒園までの育ちをサポートしていきます。しかし、保護者の皆様はそこで終わりではありません。小学校・中学・高校・・・と育てていく・見守ることが続いていきます。小さい頃よりは手はかからなくとも、様々な心配事も増えることでしょう。
そして、手を抜くことができない理由の二つ目は、やはり皆さん立派でなくとも成人したときに自立できて、社会に貢献できる大人になってほしいと願うからだと思います。社会に出て精神的にも強く生き抜いて行く為には、幼少期の育ちが大切だと言われています。自己肯定感を育てる・アタッチメントの大切さなど、育児書には様々な「いいこと」が書いてあります。勿論、保育士から見ても納得できることばかりですが、私はまずは「育てる大人の心の健康」ではないかと思っています。育てる人が元気でなければ子どもも元気になれません。こどもは環境でも育ちが大きく変わります。まずは関わる大人の心身共に健康な事が大切だと思います。何かを与えるだけでなく、おとなの元気な姿を見せる事が大切です。
しかしおとなだっていつでも元気でいられるわけではありません。時には病気になることもあり、疲れてしまうこともあります。そんな時は「ママ(パパ)疲れたよ~」と言ってもいいのです。そして可能ならば自分の時間を確保してください。例えば、今日はパパ(ママ)にお子様をお任せして1人でいる時間を作って本を読んだりお茶をしたり、昼寝したり、日頃やりたかった趣味に没頭するなどリフレッシュをしてください。保育園も時にはうまく利用して「今日の午前中だけリフレッシュしてきます!」という使い方もしてください。なでしこ保育園は緊急時に連絡が取れれば良いです。
昨今の子育て世代は、核家族化によって周囲からの助けが非常に少ない状態にあります。また、少し泣けば、虐待しているのではないかと近所から通報されるなどということも少なくありません。ある情報誌に書いてありましたが、夜泣きがひどく、虐待と勘違いされて近所の方に通報されてしまい、警察がきたとのことでした。しかし、その後、福祉関係の人にその話をしたら、「それだけ地域がしっかり機能しているということ、やましいことがなければ堂々としていればいい。警察でも児童相談所でもきたら〝ご苦労様です″とねぎらって下さい」と言われたそうです。なかなかここまでポジティブに考えられないとは思いますが、この言葉は救われると思いました。
何かあったら相談できるところがあるのは心強いですね。なでしこ保育園は子育ての悩みをいつでも相談できるところでもあって欲しいと思っています。先日、「お姉ちゃんが思春期で困ってる!先生どうすればいい?」と相談された方がいました。今通っているお子さまだけでなく、思春期を迎えた中学生・高校生のお子さんの相談もしてくださり、私達も全力でお答えしました。家族丸ごと保育園と連携が取れるのは保育園としてもありがたいことです。
今、子育てを頑張っている保護者の皆様、十分頑張っていると思います。疲れたらしっかり休んで、時にはお子様から少し離れてリフレッシュをすることをおすすめします。そして、一日の終わりに「今日も一日、自分はよく頑張った!」とできれば声に出して自分で自分を褒めて下さい。
褒められることは他者からでも自分からでもとても気持ちをよくする効果があります。
まだしばらくは不安な日々が続くと思いますが、時には立ち止まって、休息やリフレッシュをうまく取り入れながら健康に過ごし、子育てを楽しんでください。また子育てで困ったことがありましたら、いつでもなでしこ保育園にご相談ください。
(副園長・子育てアドバイザー 鎌田)