毎年11月の声を聞く頃になると、咳・鼻水や喉の痛み、発熱を主症状とした感冒やインフルエンザが流行の兆しを見せ始めます。それに加えて今年は今までかつてない『新型コロナウイルス感染症』がこの冬どのような動態を示してゆくのか先の見えない状況に立たされていると考えております。本年の2月より急速に全世界で流行拡大し、日本の高温多湿なあの夏を過ぎても尚このような状況になることを、「続いてはいるかもしれない」と予測には入れていたものの、行政や国際的な動きを捉えて行くだけでも大変な昨今となっております。
昨年の11月にも子育てメモの中で風邪やインフルエンザ、感染性胃腸炎の予防について看護師として掲載させて頂きましたが、今年はそれに加えて新型コロナウィルス感染症予防についてもご家庭の皆様により一層のご協力を賜りたいと思っております。基本であり、最も重要な予防はやはりうがい・手洗い・換気と十分な距離を保つ事です。うがいの仕方、手の洗い方などは月齢に合わせ絵本や歌、イラストなどを用いて保育の時間、給食やおやつの時間の前後に声を掛けたり、年長クラスでは手の『汚れモデル』を使用して手洗いの効果が見えるような指導を取り入れたりもしています。職員でも自身の日頃の手洗い方法や頻度、手指消毒について振り返りを行い、子ども達同様の『汚れモデル』を使いながらより具体的な効果についても話し合ったりしています。特に冬の乾燥の時期には手荒れにも留意し、洗い残しがなくなるよう努めております。
また保育園でもなるべく『密』を作らないよう、保育士と協力し『新しい生活様式』を構築していけるよう日々知恵を絞り創意工夫しています。子ども達は日々学び、新たに知識や技術、習慣を獲得して行くとても特徴的な本来の性質のおかげでとても柔軟に変化に対応する事が出来、またそれを発展させて行ける力を持っていると実感しております。このような状況が、将来を自身で構築し発展させて行く未来を担う存在としての子ども達に少しでもより大きく開くを持って貰えるような保育園生活を送って貰いたいと願っております。
どの程度の事を身につけさせてあげられるだろうかと悩む日々ではありますが、日常生活動作の習得に「感染症予防の観念」が組み込まれ、一緒に体得されて行くだろう事は看護師としてはとても重要な事だと思っております。
新型コロナウィルス感染症に罹らないように、うつされないようにと、過剰に恐れたり猜疑心を強く持ちすぎる事や情報に踊らされる事なく、地道で実現可能な感染症予防を確実に実施して行きたいと考えております。
保育園という施設は保護者の方がお子さまを預けて安心して社会で仕事をして頂くという役割と子どもがその子らしく成長・発達して行くという2つの要素があると思っております。それぞれのお子様は月齢に合わせてクラスを運営している事もあり、乳幼児期特有の集団生活を送っております。これが相互によりよく機能するためには保護者の皆様の協力なしには運営することが出来ません。ご家庭の状況や考えは各々あるかとは思います。しかしながらご自身のお子様の健康保持・増進は他のご家庭のお子様のそれとも繋がっております。今回の新型コロナウィルス感染症の流行は未曾有の経験ではありますが、職員と保護者の皆様で協力し乗り越えていきましょう。(看護師 水吉)