必要な時にすぐ使える様に、年に一度は「救急箱」の確認をしたいものですが、日々の中では意識されにくいものでもあります。置き場所や箱の中身の整理をこの機会にしてみてはいかがでしょうか。常備薬について、使用期限の他に、小児用のお薬では体重の増加により用量が変わっていないかどうかも確認をすること。使用方法が不明な薬は誤飲などの危険回避のために内服・外用薬を問わず処分しましょう。
全国平均で救急車を要請した場合、到着までは8分以上を要すると言われております。この数字は、救急車方要請後、救急車が到着するまで応急処置で対応する事が望まれると言うことを意味します。日頃から健康管理と併せて「予期せぬ怪我」の発生を防ぐ事も必要だと考えます。お子様の爪は大人よりも薄く、そして細胞の代謝が盛んな為に伸びるのも早いものです。お子様と手を繋ぐ時やお風呂の時などを機会に観察して頂き、爪は短くしておきましょう。家の中でも怪我をしやすい場所があります。つまずきやすい、つい触ってしまいそうな危ないモノはお子様の視界・手の届くところ荷ありませんか?子どもの視線で探してみて下さい。
もし怪我をしてしまった時の対応は先ず、傷口を清潔にして下さい。傷口に砂やゴミ、付着しているものがある時は痛いかもしれませんがしっかり洗い流します。この時傷の大きさや深さ、出血の程度や仕方を把握する事も重要です。傷口が綺麗になってから止血をします。なかなか出血が止まらない場合は清潔なガーゼ等を用いて圧迫し止血をします。怪我の場所や出血の程度などによってもその対応は異なることがありますので119番で指示を仰ぐと言うのも一つの手段です。
一番多いお子様の病気はやはり「風邪」だと言えます。多くの風邪はウィルス感染です。原因となるウイルスの種類も無数にあり、現在世界的に流行拡大しているコロナウィルス等も風邪を引き起こすウィルスです。風邪を罹患して処方される薬剤は主に対症療法として解熱剤、咳止め、下痢止め等、辛い症状を抑える為に使われます。また二次感染と言って風邪に罹患したことにより抵抗力が低下した時に起こる細菌感染を防ぐために抗生物質が処方されることがあるかも知れません。抗生物質は服用すると便が緩くなったり、尿に色が付く場合もあります。保育園でも担任に抗生物質を服用中であることをお伝え頂けると慌てずに対応する事が出来ます。お薬について不明な場合は処方した医師や薬局の薬剤師の方が詳しく説明してくれます。
怪我も病気も、日々のお子様との関わり以上の観察はありません。ちょっとした変化に先ず気づいてあげる事、辛い・痛いと言う気持ちを受け止めてあげることが重要です。自分の気持ちを共感してもらえる、自分の発したシグナルを受け取ってもらえると言う経験は親子の信頼関係、子どもの自己肯定感に繋がると言われています。怪我をすること、病気になることの全てを取り除いてあげることは不可能かもしれませんが体験した事をネガティブなものだけで終わらせない関わりは大人の役割ではないかな、と思っています。
毎日保育園に登園する迄の時間はとても慌ただしく保護者の皆様もお忙しいかも知れませんが、ほんの少しの時間、手を止めてお子様の顔を見ながら言葉お掛け、準備を手伝ってあげて下さい。子ども達は全身でサインを出していることが多いものです。
集団生活ではありますが、職員全員で個々のお子様の成長と発達を支援していきたいと思います。
(看護師 水吉)